「コーヒーか紅茶か?」──これは過去300年、カフェイン愛好家たちを悩ませ続けた問いです。
確かにコーヒーには多くの利点がありますが、緑茶の効果も負けてはいません。
スペインの有名大学の調査によると、水に次いで世界で最も多く飲まれている飲み物は「お茶」だそうです。
この事実は、古くから緑茶の恩恵を理解していたことを示唆しているのかもしれません。
実際、緑茶には多くの健康効果が認められており、今後さらに新しい効果が発見される可能性もあります。
緑茶の科学的な健康効果
1. 骨を強くする
スポーツや運動ではケガがつきものです。
香港大学の研究によると、緑茶に含まれるカテキン(EGCなど)は骨の成長を79%も促進したとされます。
緑茶カテキンは骨形成を促進し、骨を破壊する細胞(破骨細胞)の形成を抑える働きも持つことが確認されています。
日本では高齢者の骨粗しょう症が社会問題となっており、緑茶がその対策に役立つ可能性があります。
2. 心臓を守る
アメリカで最も多い死因は心臓病です。
ハーバード大学の分析によれば、緑茶を1日5杯以上飲む人は、心臓発作や脳卒中による死亡リスクが26%低下したとのことです。
また、緑茶を多く飲む人は冠動脈疾患のリスクも28%減少しました。
この効果は、緑茶に含まれるカテキンによるものと考えられています。
3. 脳を守る
アルツハイマー病やパーキンソン病といった神経変性疾患の発症には「活性酸素」が関与しています。
2004年の研究では、緑茶に豊富なポリフェノールが脳の老化を遅らせ、神経を保護する可能性が示唆されました。
日常的に緑茶を飲むことが、脳の健康維持に貢献するかもしれません。
4. 脂肪燃焼を助ける
体脂肪率を気にするボディビルダーたちにも、緑茶は人気です。
オランダの大学によるメタ分析では、緑茶のカテキンが体重を平均1.3kg減少させる効果が認められました。
特に、カフェイン摂取量が少ない人ほど効果が大きかったという結果も出ています。
実際、多くのダイエットサプリに緑茶エキスが配合されています。
5. がん予防に役立つ
がんは日本人の死因第1位です。
緑茶をよく飲む女性は乳がんリスクが30%、男性は前立腺がんリスクが48%も低下したという研究結果がそれぞれあります。
まだ確定的な結論には至っていませんが、日常的に緑茶を飲むことは、がん予防の有力な手段になり得るでしょう。
緑茶のまとめ
緑茶は、がん予防、心臓病リスク低下、脳の保護、脂肪燃焼促進、骨の健康維持など、多岐にわたる健康効果を持っています。
カフェインも含まれており、体脂肪燃焼や代謝促進に一役買っていますが、コーヒーほどの含有量ではありません。
カフェインの摂取量やライフスタイルに合わせて、緑茶かコーヒーを選ぶのが良いでしょう。
緑茶の効果を最大限に生かすため、日常に一杯の緑茶を取り入れてみてはいかがでしょうか。